【家賃の安さと間取りの広さが武器になる】
「最低限のリフォームでよしとするのはDIY好きの人だけで、普通の人には受け入れられないのでは?」と思う人もいるかもしれません。
たしかにその一面はあります。
入居者に手間を押し付けることになるため、二の足を踏む人もいます。
ただ、最終的には応急処置のリフォームを納得してもらえます。
なぜか?
それは、空き家不動産投資で提供する物件は、周辺の他の物件と比べて家賃の安さや間取りの広さが際立っているからです。
たとえば、京都市内で駅周辺の戸建てを借りようとした場合、家賃相場は7~8万円台、部屋数は3室程度が一般的です。
これに対して、同じエリアで僕の手がける空き家賃貸の場合、家賃は相場の半分程度の3~4万円台、部屋数は3室以上のものが主流です。
どちらが好まれるかは、おのずとわかるでしょう。
応急処置のリフォームは、ある意味マイナス要素です。
でも、そのマイナス面を覆い隠すメリット、それがありえない家賃の安さと間取りの広さで、大きな武器となるのです。
しかも、建物の古さなど多少の難はあっても住む分には困りませんから、「家賃が安くて広いほうがいい」と考えますよね。
それでも、壁紙を貼り替えてほしい、床を張り替えてほしいなど、入居希望者にリフォームを頼まれるケースもあります。
本来なら依頼に応じるべきですが、僕はあえて応じません。
「この空き家は、みなさんにリフォームを楽しんでもらうために直していません。リフォームはご自身でお願いします!」 ときっぱりいいます。
その代わり、「家賃をもうちょっと下げますよ」とフォローします。
家賃がさらに安くなるのなら「まあいいか」と思う人も多いですよね。
無下に断るのではなく、このようにいい方をうまく工夫するのです。
【リフォームなしで家賃をゲット!】
直さないリフォームは最低限のリフォームを意味します。
極論をいえば、まったく何もしないで物件を貸すことも可能です。
たとえば、オーナーから借りた空き家を倉庫として貸せば、とくにリフォームなどせず月いくらかの家賃収入を得られます。
右から左で一切手間なし!
そんな究極のリフォーム(?!)で成功した物件があります。
京都市内でカフェをやりたいという人がいて、話を聞いたのが事の始まりでした。
その人は賃貸テナントを月10万~15万円で借りて、内部を全部壊して自分好みのカフェにつくり替えたいといっていました。
この話を聞いたとき、僕は違和感を覚えました。
「キレイな物件を月10万円台で借りて、それを壊してカフェにするなんてもったいない。それだったら、ボロい物件を安く借りて、同じように壊してカフェにしたほうがいいのでは?」 と。
これを相手に伝えると「言われてみればそうですね」と納得。
そこで僕は、京都市内のボロい空き家を提供しました。
どうせ壊すので、掃除もせずにそのままの状態で貸すことにしたのです。
オーナーから月2万円で借りたものを月3万円で貸し、差額の1万円が僕の実入りになりました。
何もせずに1万円ですから御の字でしょう。
しかもこのときは、僕がカフェの工事も引き受けたため、業者に依頼した差額分が儲けとして入ってきました。
頭をちょっと使ってアイデアを引き出せば、リフォームなしの賃貸業で稼ぐことができるのです。
【「リフォームフリー」で家賃がどんどんアップしていく!】
リフォームなしで成功した例をもうひとつ紹介しましょう。
一般的な不動産投資の場合、入居者が退去すると、壁紙の貼り替えなど原状回復するためのリフォームを余儀なくされます。
物件の価値を維持するには原状回復しなければならず、10万や20万のお金が吹き飛んでしまうのが普通です。
しかし、空き家不動産投資でリフォームフリーをウリにした場合、原状回復をしなくてすみます。
入居者に自由にリフォームしてもらうのが前提なため、何もせずに提供することもよしとなります。
その結果、入居者が退去するたびに物件の価値が上がっていくケースがたまにあるのです。
京都市郊外の住宅地に建つ空き家を手がけたときがそうでした。
現在、3人目の入 居者に貸している古民家風の物件です。
僕は、この物件をオーナーから7万円で借りて、ひとり目の入居者のAさんに 7万9000円で貸しました。
Aさんは、コンセントなど電気関係の設備を全部直してくれたのですが、サラリーマンだったことから、会社の都合で退去となりました。
2人目の入居者は、その物件でカフェを始めたBさん。
古民家風の建物がカフェに ピッタリと思ったのでしょう。
Aさんのおかげで電気関係が整備されたため、Bさんには8万4000円で貸すことができました。
Bさんは100万円近い資金を投じて、カフェに改装したようです。
僕も何度か足を運びましたが、オシャレな雰囲気に様変わりしてビックリしました。
しかし、カフェの経営がうまくいかず、退去となりました。
そして、現在の入居者はCさん。
Cさんはカフェから業態転換し、ご飯屋を営んでいます。
繁盛している様子ですから、当分退去はないでしょう。
Bさんが資金を投じて物件がオシャレになったため、Cさんには9万4000円で貸しています。
このように、入居者が変わるたびにそれぞれの手が入り、物件がキレイになって価値が上がっているのです。
それと同時に、家賃は
7万9000円
→8万4000円
→9万4000円と徐々に アップ。
一方で、僕のオーナーへの支払いは7万円と変わっていません。
ですから、僕の実入りだけが
9000円
→1万4000円
→2万4000円と増えているわけです。
【まとめ】
いかがでしたか?
はじめはカフェへの改装から始まったボロ家が入居者の変わるごとにリフォームが洗練されていきました。
リフォームの洗練と共に家賃も上げることができ、自動的に家賃収入が多く入るような仕組みです。
ここで疑問が生じると思います。
「店舗経営をしたいという人は少ないのだから、店舗経営したい人がいなくなったときにはどうするの?」
当然の質問ですね。
しかし、その答えは簡単です。
店舗経営をしたいという人がいなくなったら、売却してしまえばいいんです。
もちろん、オーナーとの話し合いも必要ですが、僕の経験上、そのまま賃貸を続けているよりも売却した方が収益が付くことをオーナーも納得してくれるケースが多いです。
ちなみに、僕がいつも売却するときに利用しているのが不動産査定サイトのイエイ。
イエイは、一括査定サイトといって、最大6社の不動産会社から査定価格の結果をワンストップで請求することができる優れものサービスです。
さらに、イエイは不動産査定のなかでも珍しく、店舗の不動産査定も可能となっています。
不動産査定をして、査定価格を受け取るまでは無料でできますので、「将来的には売却も視野に入れている」という人も物件の今の価値を知ることができるサービスです。